熊本で地震に強い家を選ぶには?耐震等級だけでは判断できない7つの確認ポイント
2026年7月28日、熊本県熊本地方を震源とする大きな地震が発生しました。
被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
熊本で住宅購入を検討するなかで、「地震に強い家を選びたい」「耐震等級が高ければ安心なのか」と考えている方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、地震に強い家を選ぶためには、耐震等級だけでなく、地盤、基礎、建物構造、施工品質、検査、保証まで確認することが大切です。
耐震等級は住宅の耐震性能を比較するうえで重要な判断材料ですが、一つの数字だけで住宅の安全性を判断することはできません。
私たちテラスエステートでは、単に「耐震等級はいくつです」とお伝えするのではなく、その数字が何を意味しているのか、ほかに何を確認すべきなのかまで説明することを大切にしています。
この記事では、熊本で地震に強い住宅を選ぶために確認してほしい7つのポイントを、不動産仲介会社の視点から分かりやすく解説します。
先に結論|地震に強い家は7つの項目を総合して判断する
熊本で地震に強い家を選ぶ際は、次の7つを確認することが大切です。
1.耐震等級の数字だけでなく、評価の根拠を確認する
2.壁や柱、梁、床、屋根など、建物全体の構造を確認する
3.地盤調査の結果と基礎の仕様を確認する
4.施工中の検査や品質管理の仕組みを確認する
5.検査済証や住宅性能評価書などの書類を確認する
6.保証期間だけでなく、保証の対象範囲を確認する
7.担当者が数字だけでなく、質問の背景まで理解して説明しているか確認する
耐震等級は重要な判断材料ですが、それだけで住宅の安全性が決まるわけではありません。建物、土地、施工、検査、保証を一体として確認し、安心できる根拠を理解したうえで判断しましょう。
2026年7月28日、福岡でお客様をご案内中に地震を経験して感じたこと
2026年7月28日16時27分頃、熊本県熊本地方を震源とする「令和8年熊本地震」が発生しました。
地震発生時、テラスエステートで住宅のご提案・ご案内、店舗運営、スタッフ育成に携わる中村優貴は、福岡県内でお客様をご案内していました。
案内先の建物内で揺れを経験したことをきっかけに、住宅の構造や施工品質について、お客様へ根拠を示しながら説明することの重要性を改めて認識しました。
なお、そのときに感じた揺れ方だけで、建物の耐震性能を判断することはできません。地震の揺れは地域、地盤、建物の構造や条件などによって異なります。
それでも今回の経験を通じて、家は日々の生活を送る場所であると同時に、災害が発生した際に家族を守る大切な場所であることを改めて強く感じました。
住宅を選ぶ際は、価格、立地、間取り、設備、デザインなどに目が向きやすくなります。どれも大切な条件ですが、長く安心して暮らすためには、普段は見えにくい構造や施工品質にも目を向ける必要があります。
地震の発生日時や震源などについては、気象庁の公表情報をご確認ください。
耐震等級とは?等級1・2・3の違い
耐震等級とは、地震に対する建物の構造的な強さを示す指標です。
住宅性能表示制度における耐震等級は、地震によって建物が倒壊・崩壊しにくいかという観点から、等級1から等級3までの3段階で示されます。
耐震等級1
建築基準法で求められている耐震性能を満たす水準です。
耐震等級2
耐震等級1で想定される地震力の1.25倍の力に耐えられる水準です。
耐震等級3
耐震等級1で想定される地震力の1.5倍の力に耐えられる水準で、住宅性能表示制度上では最も高い等級です。
住宅性能表示制度は、住宅の性能を共通の基準で比較しやすくするために設けられた制度です。耐震等級を含む住宅性能の評価は、国が定めた基準に基づいて登録住宅性能評価機関が行います。
耐震等級が高ければ絶対に安全なのか?
耐震等級は重要な指標ですが、等級が高ければ、どのような地震が起きても住宅が無傷であるという意味ではありません。
耐震性能について考える際は、「倒壊・崩壊を防ぐこと」と「建物に損傷が生じないこと」は同じではないと理解しておく必要があります。
人命を守ることを目的とした耐震性能が確保されていても、地震によって建物にひび割れや変形などが発生し、地震後に点検や補修が必要になる可能性があります。
想定を上回る揺れや、大きな地震が繰り返し発生した場合まで、絶対の安全が保証されるものでもありません。
そのため、私たちテラスエステートでは、耐震等級を確認したうえで、建物の構造、施工品質、地盤、基礎、検査、保証なども含めて総合的に確認することをおすすめしています。
テラスエステートが耐震等級だけで物件を選別しない理由
私たちテラスエステートでは、「耐震等級1だから紹介しない」「耐震等級3だから必ずおすすめする」という単純な物件選びはしていません。
住宅を購入されるお客様には、構造、価格、立地、間取り、デザイン、ご予算など、それぞれ異なる希望や事情があります。
耐震性能は重要ですが、一つの条件だけで住宅の価値が決まるわけではありません。
不動産仲介会社である私たちの役割は、一つの住宅会社や一つの物件だけを勧めることではなく、複数の選択肢を比較し、それぞれの強みと注意点をお伝えすることだと考えています。
価格を抑えた住宅を検討する場合でも、安いから勧める、安いから避けるという判断はしません。
その住宅がどのような構造で建てられているのか、どのような検査が行われているのか、価格差にはどのような理由があるのかを整理し、お客様が納得したうえで選べる状態をつくります。
希望された物件をそのまま紹介するだけであれば、仲介業務は簡単かもしれません。
しかし、私たちが目指しているのは、契約を成立させることではなく、10年後、20年後、30年後にも後悔が残らないマイホーム選びです。
地震に強い家を選ぶための7つの確認ポイント
1.耐震等級の数字だけでなく、評価の根拠を確認する
同じ耐震等級の表記でも、どのような根拠に基づいて示されているのかを確認することが大切です。
住宅性能表示制度には、設計図書を基に住宅の性能を評価する「設計住宅性能評価」と、施工段階や完成時の検査を通じて評価する「建設住宅性能評価」があります。
広告や販売資料で耐震等級が示されている場合は、次の点を確認してみましょう。
耐震等級はいくつか
誰が、どのような方法で評価したのか
設計住宅性能評価書はあるか
建設住宅性能評価書はあるか
評価書の内容を確認できるか
表示されている数字だけで判断せず、その根拠となる資料について説明を受けることが重要です。
2.建物全体の構造を確認する
地震に対する建物の強さは、耐震等級だけで決まるものではありません。
建物を支える壁の量や配置、柱や梁の接合部分、床や屋根の構造、建物全体の形状など、さまざまな要素が関係します。
たとえば、必要な壁の量が確保されていても、配置のバランスによっては地震の際に建物へ偏った力がかかる可能性があります。
大きな窓、吹き抜け、建物の凹凸なども、設計上の確認が必要になる要素です
ただし、一般のお客様が図面だけを見て、構造の良し悪しを判断することは簡単ではありません。
住宅会社や売主へ、次のように質問してみましょう。
この住宅には、どのような構造上の特徴がありますか
地震に対して、どのような設計上の工夫がありますか
この間取りで耐震性をどのように確保していますか
専門用語だけでなく、一般の方にも理解できる説明を受けられるかどうかも大切な確認ポイントです。
3.地盤と基礎を建物と一体で考える
建物の耐震性能が高くても、その建物を支える土地や基礎の状態を切り離して考えることはできません。
住宅を購入する際は、次のような情報も確認します。
地盤調査が実施されているか
どのような調査方法が採用されたか
地盤改良が必要と判断されたか
地盤改良を実施した場合、その方法と理由は何か
建物や地盤に適した基礎が採用されているか
地盤や基礎に関する保証があるか
地盤改良をしているから安心、地盤改良をしていないから不安と単純に判断することはできません。
大切なのは、地盤調査の結果に対して適切な判断と施工が行われているか、その内容を住宅会社や施工会社が説明できるかという点です。
土地の災害リスクや地盤の確認方法については、別記事「熊本で後悔しない土地選び」で詳しく解説します。
4.施工品質と品質管理の仕組みを確認する
設計上の性能を実際の住宅で発揮するには、図面や仕様どおりに施工されていることが前提になります。
住宅会社を選ぶ際は、完成した建物だけでなく、施工中の品質をどのように管理しているかも確認したいところです。
確認項目には、次のようなものがあります。
施工中にどのような検査を行っているか
検査は誰が行うのか
第三者機関による検査はあるか
施工中の写真や検査記録は残されているか
指摘事項があった場合、どのように是正しているか
購入者が検査記録を確認できるか
住宅は完成すると、基礎の内部、壁の中、柱や梁の接合部分など、目視できなくなる部分が多くあります
完成後の見た目だけでなく、見えなくなる部分をどのように確認し、記録しているのかを聞くことが、施工品質を判断する材料になります。
5.検査済証や住宅性能評価書などの書類を確認する
住宅の安全性を判断するには、口頭の説明だけでなく、根拠となる書類を確認することが重要です。
物件の種類や契約内容によって該当する書類は異なりますが、一般的には次のような資料があります。
確認済証
検査済証
設計図書
設計住宅性能評価書
建設住宅性能評価書
地盤調査報告書
地盤改良工事の報告書
施工中の検査記録や写真
住宅瑕疵担保責任保険の保険付保証明書
各種保証書
維持管理やメンテナンスに関する資料
書類があるかどうかだけでなく、何を証明する書類なのか、どの部分まで確認されているのかについて説明を受けましょう。
すべての住宅に同じ書類がそろっているとは限りません。物件に応じて必要な資料を不動産会社や住宅会社へ確認してください。
6.保証の期間だけでなく、対象範囲を確認する
「10年保証」「長期保証」と書かれていても、住宅のすべての不具合が保証されるとは限りません。
新築住宅を供給する事業者は、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分について、原則として10年間の瑕疵担保責任を負います。
また、住宅瑕疵担保履行法に基づき、対象となる事業者には、保険への加入または保証金の供託による資力確保措置が求められています。
参考:国土交通省「新築住宅に関する法制度」
保証については、次の点を確認しておきましょう。
保証の対象となる部分
保証期間
保証を受けるための条件
定期点検の有無
有償メンテナンスの必要性
住宅会社が対応できなくなった場合の取り扱い
地盤保証や設備保証との違い
「保証がある」という言葉だけで判断せず、保証書や契約書の内容まで確認することが大切です。
7.担当者が質問の背景まで理解しているか確認する
住宅の安全性を判断するときは、物件の性能だけでなく、担当者が質問へどのように答えるかも大切な判断材料になります。
テラスエステートでは、スタッフがお客様から「この住宅の耐震等級はいくつですか」と質問された際、等級の数字だけで回答しないようにしています。
なぜお客様がその質問をされたのかを考える必要があるからです。
お客様が本当に知りたいことは、耐震等級の数字そのものではなく、次のようなことかもしれません。
この住宅は地震に強いのか
家族が安心して暮らせるのか
他の住宅と比べて問題はないのか
購入後に後悔しないか
そのため、耐震等級をお伝えするときは、その等級がどのような基準なのか、建物にはどのような特徴があるのか、ほかに何を確認すべきなのかまで説明することを大切にしています。
この考え方は、住宅性能に関する質問だけに限りません。
たとえば、お客様から「広いLDKが欲しい」と伺った場合も、広さだけを条件に物件を探すのではなく、なぜ広いLDKを希望されているのかを確認します。
キッチンから小さなお子様の様子を見守りたいのであれば、単純な畳数よりも、キッチンとリビングの配置や視線の通り方が重要かもしれません。
お客様が口にした条件をそのまま受け取るのではなく、その背景にある暮らし方や不安まで理解することが、本当に合った住宅を提案するために必要だと考えています。
売主側と仲介側の両方を経験したから分かること
中村優貴は、不動産業界で8年間の経験があり、株式会社アーネストワンで2年間、テラスエステートで6年間、住宅販売に携わってきました。
アーネストワンでは、売主側の立場から主に新築一戸建ての販売に携わり、住宅が企画・建築され、お客様へ引き渡されるまでの流れを経験しています。
現在は不動産仲介会社であるテラスエステートにおいて、複数の住宅会社や物件を比較しながら、お客様の住まい選びを支援しています。
建物を供給する売主側と、お客様に近い立場で選択肢を比較する仲介側。
両方の立場を経験してきたからこそ、住宅会社の説明をそのまま伝えるのではなく、一般のお客様が判断できる言葉に置き換え、メリットと注意点を整理することを重視しています。
新築住宅と中古住宅では確認するポイントが異なる
地震に強い住宅を選ぶ際、新築住宅と中古住宅では確認の重点が異なります。
新築住宅で確認したいこと
新築住宅では、耐震等級、住宅性能評価、地盤調査、施工中の検査、瑕疵保険、保証内容などを確認します。
完成前の住宅であれば、施工中の検査体制や記録についても質問しやすいでしょう。
「新築だから安心」と考えるのではなく、安心できる根拠を資料と説明の両方で確認することが大切です。
中古住宅で確認したいこと
中古住宅では、新築時の耐震性能だけでなく、築年数、これまでの維持管理、増改築の履歴、ひび割れや雨漏り、建物の傾き、過去の修繕状況なども確認する必要があります。
築年数が経過した住宅では、建築された当時の耐震基準や、その後に耐震診断・耐震改修が行われているかも重要です。
必要に応じて、建築士による建物状況調査など、専門家による確認も検討します。
「新築だから安全」「中古だから危険」と一括りにせず、一つひとつの住宅について根拠を確認して判断しましょう。
新築住宅と中古住宅では確認するポイントが異なる
住宅会社や不動産会社へ、次のような質問をしてみてください。
1.この住宅の耐震等級はいくつですか
2.その等級は、どのような評価や資料で確認できますか
3.設計住宅性能評価書と建設住宅性能評価書はありますか
4.建物の構造上の特徴を教えてください
5.地震に対して、設計上どのような工夫がありますか
6.地盤調査はどのように行われましたか
7.地盤改良は実施されていますか
8.どのような基礎が採用されていますか
9.施工中にはどのような検査が行われましたか
10.検査記録や施工写真を確認できますか
11.保証の対象範囲と期間を教えてください
12.この住宅のメリットだけでなく、注意点も教えてください
すべてを自分で判断する必要はありません。
重要なのは、分からないことをそのままにせず、住宅会社や不動産会社から十分な説明を受け、自分たちが納得できる状態で判断することです。
地震に強い家に関するよくある質問
耐震等級1の住宅を購入しても大丈夫ですか
耐震等級1は、建築基準法で求められている耐震性能を満たす水準です。
ただし、耐震等級だけで購入の可否を判断することはできません。建物の構造、地盤、基礎、施工品質、検査、保証などを確認し、ご予算や希望条件も含めて総合的に判断することが大切です。
耐震等級3なら地盤を確認しなくてもよいですか
耐震等級3の住宅であっても、地盤の確認は必要です。
耐震等級は主に建物の構造的な強さを示す指標であり、土地の浸水リスクや地盤の状態など、すべての安全性を示すものではありません。
建物と土地を切り離さず、一体として確認しましょう。
新築住宅なら地震に強いと考えてよいですか
新築住宅であることは安心材料の一つですが、新しいという理由だけで安全性を判断することはできません。
耐震等級、構造、地盤調査、施工品質、検査記録、保証内容など、安心できる根拠を確認する必要があります。
住宅性能評価書はどこを確認すればよいですか
まず、設計住宅性能評価書と建設住宅性能評価書のどちらがあるかを確認します。
そのうえで、耐震等級をはじめ、どの項目が評価されているのか、評価結果が何を意味するのかについて説明を受けましょう。
書類を受け取るだけでなく、内容を理解したうえで住宅選びに活用することが重要です。
耐震等級だけでなく「安心できる根拠」を確認する
地震に強い住宅を選ぶうえで、耐震等級は重要な判断材料です。
しかし、住宅の安心・安全は一つの数字だけで決まるものではありません。
地盤、基礎、建物構造、施工品質、検査、保証、維持管理まで確認し、「なぜこの住宅なら安心できると考えられるのか」を理解したうえで購入することが大切です。
私たちテラスエステートが目指しているのは、物件を購入していただくことだけではありません。
10年後、20年後、30年後にも「この家を選んで良かった」と思っていただける、後悔の残らないマイホーム探しをサポートすることです。
熊本で住宅の耐震性や地盤、建物の品質について不安や疑問がございましたら、購入する物件が決まっていない段階でもご相談ください。すでに検討中の物件がある場合は、その物件情報をお持ちいただければ、耐震等級、地盤、構造、検査、保証など、確認しておきたい項目を一緒に整理します。
一つの数字や広告表現だけで決めるのではなく、ご家族が納得できる住宅選びを私たちと一緒に考えていきましょう。
監修:テラスエステート
